落ち穂拾いの小さな足音にこそ耳をそばだてたい

〈折々のことば〉  305         鷲田清一

時の流れがね、落っことしていったものを一番後ろから拾いながらトボトボと行くっていうのが、私には合ってるかなって思うんです

                              中島みゆき

 時代の浮かれの中で目もくれられずまたぎ越されてしまうもの、
時代の厚い雲にさえぎられ見えなくなっているもの、
時代の勢いの中で置いてきぼりにされたもの。
用済みと払い落とされたおがくずのような命の佇(たたず)まいを慈しむ、
その落ち穂拾いの小さな足音にこそ耳をそばだてたい。

NHK「SONGS」(昨年11月7日)での発言。
                               2016.2.8

中島みゆきさんの歌が好きです。

時代