会いたい人のところへ  風になって

セカンドリーグ「のんびる」リポーターの佐々木和恵さん
あなたにあえてよかった」を紹介してくださっています。
有り難うございます。


 
大浦静子さんのブログにはじめてお訪ねした時、静子さんが、亡くなったお嬢さん、郁代さんのために、静かに祈っていらっしゃる姿を感じました。
私も、静子さんの後方から祈りたいと思いました。
その思いで、文中の郁代さんの、ご両親への遺書と、静子さんのあとがきの言葉の一部を紹介させていただきます。


おとうさん おかあさんへ

わがままな娘でごめんね。
いつもつっけんどんでごめんね。
口が悪くてごめんね。
心配ばかりかけてごめんね。
親孝行できなくてごめんね。
孫の顔、見せられなくてごめんね。
おとうさん、おかあさんより先に死んじゃってごめんね。

三十四年間という、少し短めの人生だったけど、
おとうさん、おかあさんのおかげで、
楽しく、充実した人生でした。

子どものころから、のびのび自由に育ててくれて有り難う。
わたしを信頼し、やりたいことをやらせてくれて有り難う。
いつも心配してくれて有り難う。
産んでくれて有り難う。
おとうさん、おかあさんの子どもとして産まれてこられて、
わたしはとってもしあわせだったよ。
本当に有り難う。

                      郁代



今年も長かった冬がやっと終わりました。
さくらの花びらが舞う中で、郁代の声が聞こえます。
「おかあさん、これからは私がずっとそばにいるよ」

空を仰いで私は呼びかけました。
「おかあさんといくちゃんとの出会いはやっぱり奇跡だったよ。
ありがとう、いくちゃん!」

郁代がこの本を書かせてくれました。

    2006年 春
                 大浦 静子  



 冒頭に私は、この記事を祈りとして書く、という意を述べましたが、もうひとつ、別のわけがありました。
このような形ながらこの本の紹介を書くことは、もしかしたら、人との出会いを大切にされていた郁代さんが、喜んでくださるのではないかと思ったからです。そして、郁代さんとの出会いを待っている読者の方がいらっしゃるのではないかと感じたからです。
心から、郁代さんのご冥福をお祈り致します。   (佐々木和恵)