見えないけれど大切なこと

「見えないけれど大切なこと」を山元加津子さんはブログを通じていつも教えてくださいます。        
養護学校の山元先生と大ちゃん、はじめは気持ちが通じ合えなかったふたりが、仲良くなり、大好きどうしになって、やがて心が通い合うようになっていきます。


いちじくりん   (3月16日)


もうずいぶん前の春の初めのことでした。
まだまだ風は冷たくて、少し風をしのごうと、大ちゃんと一緒に花壇の脇にこしかけたときに、土の中から小さなかわいい双葉がいくつも顔を出しているのが見えました。
大ちゃんはこんな詩を作っています。


    土の中には 見えないけれど いつもいっぱい種がある
    見えないけれど 時間がたって 緑の小さな 芽が出たら
    種があったと 教えてくれるな 
    時間がたてば わかることって いっぱいあるんや


いつも、見えなくても確かにそこにあるものを見つめていようという大ちゃんのまなざしに、すごく心をゆさぶられたのを覚えています。

種だけでなく、堅い木々の枝々からは、たくさんのやわらかな花の芽が顔をだして、美しい花を咲かせてくれています。
いったい木々のどこで、こんなに美しいピンクの花の色を作り出したのだろうと、自然は見えないけれど、確かにある大きな大きな力を私たちにみせてくれていますね。

大ちゃんの詩を思い出したときに、私は、サン=テグジュペリの「星の王子さま」の一節を思い出しました。
「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目には見えないんだよ」

そして、王子様は何度も忘れないように繰り返すのです。

「大切なことは、目に見えない」   





郁代の本棚に、「星の王子さま」が残っていました。

私はいつもいつも、目に見えることで人を判断してしまいます。


でもね、
今すれ違った、にこにこ笑っておじぎをしたあの人が、
一人になった時、泣きながら道を歩いているかもしれないってこと。

それは私だから、今ならわかります。


山元加津子さんの「たんぽぽの仲間達」
アクセス数97万突破、おめでとうございます。