お花見

現在闘病中の方がブログに書かれていました。


たった1時間くらいのお花見で、すぐに私は病院に戻りましたが、
帰り際に母がポツリと言いました。
「みんなでお花見できてよかったね・・・」
「お母さん、来年もまたこようね。
必ず、みんなでこれるから・・・」





郁代と行った4年前のお花見・・・。

兼六園卯辰山、ロープウエーで上った獅子吼高原でしたが、
郁代は、腹水が溜まり歩くのが辛くなっていました。
来年の花見に、今日と同じように家族は揃っているだろうか?
みんなが同じ思いを抱いていました。


郁代はあの時、さみしそうでした。
誰もが胸つぶれるような思いで、桜をながめていました。
小学生のSちゃん、園児のAちゃんの笑顔が、かろうじてその場をなごませてくれていて・・・。


郁代は家族を思いやって、
想い出作りのためにつきあってくれたのでしょう。

“せめてもの親孝行”として、
お花見をみんなで楽しもうとしてくれたのでしょう。


郁代はどんなに言いたかったでしょう。

「お母さん、来年もまたこようね。
必ず、みんなでこれるから・・・」


「郁代、来年もまたこようね」と、
そのときはもう、私にもいえませんでした。


お花見で涙を流す人も、
辛くてお花見が出来ない人も、
世の中にはいっぱいいらっしゃることでしょう。


涙の中に、思い出すことばかりです。


             金沢城公園ライトアップ

              内堀沿いの桜並木     兼六園HP