犬麻呂と綽空 (五) 

 1歳を過ぎたみくちゃんの「ことば」が増えていくのが楽しみです。
「ママ」「パパ」に始まりわが家の犬も大好きで、「ワンワン」とさかんに指差したりさわったり。

最近は、「ドウジョ!」「ドウジョ!」(どうぞ!)といって、何でも渡してくれます。
おかたずけも上手で、大事な物もみんなゴミ入れにポイしてくれます。



犬麻呂と綽空 (五)         親鸞 219   五木寛之 

「もしも綽空さまが、その娘さんの姉うえさまに心をよせておられるのなら、
若い娘さんに好かれて、宿坊で世話を受けるなどということは断るべきでした。
人の心をもてあそぶようなものです。

綽空さまは、自分は罪業ふかき悪人だ、などと軽々しく反省されているようですが、ほんとうの自分はそれどころではないのではありませんか。
ご自分で思っている十倍も百倍もの大悪人。
そのみずからへの怖れが、わたしには感じられません。

下人の子として育ったサヨには、世間の人はみな地獄の鬼に見えます。
鬼以上の極悪羅刹の心をもたなければなりませんでした。
天罰は必定…。
でも、綽空さまがきっと救ってくださる、そう信じてきたのですよ」
                      (新聞連載より抜粋)