トンボもゴキブリも昆虫なのに

青木新門さんは講演の中で
小学4年生の詩を紹介されました。


トンボもゴキブリも昆虫なのに


僕はきょう
学校の帰りにトンボをつかまえて家へ帰った。
おかあさんが、
「かわいそうだから放してあげなさい」と言った。
僕はトンボを放してやった。
トンボはうれしそうに空高く飛んでいった。

それから僕は台所へ行ったら
お母さんがほうきでゴキブリをたたき殺していた。

トンボもゴキブリも昆虫なのに。


新門さんは続けて、次のようなお話をされました。


人間に都合のいいものは、
「かわいそうだから放してあげなさい」と、
とてもやさしいんですけどね。
都合の悪いものはたたき殺しても心に痛みも感じない。


都合のいいものと悪いものを分けて考えている。


私は雑草も小石も蛆もゴキブリも、
まるごと認める力が大事だと思います。


それを育み、伝えてきたのは、仏教なんですけど、
今はそれがなくなっています。