猫のエピソード

昨日のブログで、
  コイにえさをやっていたとき、
  父親が「食いしん坊やなあ」としか感じなかったのに、
  娘のSちゃん(3歳)が
  「コイさん ありがとうって いっとるよ」とつぶやいた・・・
と書いていたとき、
猫にまつわる郁代のエピソードを思いだしたのでした。


その一
高校入試が近ずいても、
郁代の勉強する姿を見たことがなかった私をびっくりさせた話

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「(二日目の)入試の作文の題は『春』だったけど、
最近ニャンコと遊んだことをそのまま書けば良かったから簡単だった。
田んぼのあぜ道を追っかけっこしていたら、
風は暖かくつくしが出ていて、
春があっちにもこっちにも感じられたんだよ」
試験を終えて帰宅した郁代は楽しそうに言った。
郁代は、「自然」と言う学習塾へ、毎日、真面目に通っていたのだった。

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その二
動物と心の交流ができる郁代の感性、
私には無いものだなあとしみじみ思ったできごと

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高校に入学して間もない頃、
向かいの0さんちの猫が車に轢かれたことがあった。
学校から帰ったばかりの郁代は泣き叫んで頼んだ。
「お父さん、お願いだから病院へ連れて行って!」
真新しい制服の胸には、
バスタオルにくるんだ血だらけの猫が抱きかかえられていた。
帰宅の遅い0さんちの家人にかわって夜遅くまで介抱したものの、
病院で手当した甲斐なく、
明けがた近く、猫の命は消えていた。
翌日、郁代は目を真っ赤にして登校した。

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「あなたにあえてよかった」より