朝に 昼に 夜に
月刊講読誌で、歌人河野裕子さんの連載が始まっていて、
毎号がとても楽しみでした。
乳がんの手術をして闘病していたことも明かしていました。
先日訃報を知り驚いたばかりですが、
今日の新聞「天声人語」に、歌の楽しみとして、
河野裕子さんの歌がいくつか紹介されていました。
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青林檎 与へしことを唯一の
積極として 別れ来にけり
たっぷりと 真水を抱きてしづもれる
昏き器を 近江と言へり
*真水を抱くのは琵琶湖、女性の身体性の暗喩でもあるとか。
朝に見て 昼には呼びて夜は触れ
確かめおらねば 子は消ゆるもの
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月刊誌でも、
わが子への母の想いがいつも熱く伝わってきて、
いつまでも心に残っています。
新聞では、このように結ばれていました。
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遺された歌は多くの人の胸にしまわれ、
これからも愛誦されることだろう。
励まし、慰める調べとなって。