いいことさがし

佐藤さんの挽歌に載っていた「いいことだけ日記」に、
深く共感しました。


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「いいことだけ日記に」  (朝日新聞  ひととき 掲載)


「やっと無罪放免になったわ」と胃がん手術をした友人が、
5年経ったことを伝えてきて、「本当によかったね」と喜んだのが4年前。
だが、半年後、私が胃がん宣告を受けた。
そして、3年半、体力も回復していたと喜んでいた矢先に再発。
そのショックは言葉にならなかった。
そんな中、夫が「3年日記」を買ってきた。
ずっと書き続けていた日記も、がんになってから書けなくなっていた。
思い出したくないことが多すぎるからだ。
その日の一番よかったこと、うれしかったことだけを書く日記にしたらどうかと、夫は勧めた。
そうはいっても、よいことやうれしいことが毎日あるだろうか。
あまり気が進まない私に夫は、どんな小さなことでもいいから、と言う。
例えばきれいな青空を見たとか、友人から電話があったとか、
昨日よりも食事が少し食べられたとか、そんなことでいいというのだ。
それなら見つけられるかもしれない。
そう思って日記を書きだした。
それから3か月、最初は無理に書いていたが、
今は寝る前に、感謝しながら書けるようになった。
毎日悲しいことも多いが、
うれしかったことが少しずつたまりだした日記を開くと、
元気が出てくる。
この日記を書き終えて、
いつか「無罪放免になったわ」と、お世話になった人たちに電話しようと頑張っている。
             千葉県我孫子市  佐藤節子  主婦62歳
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郁代が書いた文章のようで、涙があふれてきました。


友人へあてたこんな郁代のメールがあったことを、
亡き後友人が知らせてくれたのです。


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セアロさんには、シドニーに行く途中福井でお会いしました。
セアロさんに会った途端、なぜか涙がポロポロ出てしまったんだけど、
色々お話を聞いてもらいました。
セアロさんからは、「他人に良い人に見られようなど思わず、
自分自身に正直に、自分自身がハッピーだと思うことだけをしなさい。
一日一日を充実させ、幸せを感じながら生きることが大切で、
人生はそういう一日一日の積み重ねでしかないので、あまり先のことを悩む必要はないよ」などなど、アドバイスを受けました。
セアロさんの著書も一冊購入し、時々読み返しています。
シドニーに行く前は、抗がん剤の効き目も悪くなってきて、
主治医からも「今回のオーストラリア行きが最後」みたいなことを言われて、
落ち込んでいたんだけど、セアロさんに会って、
そしてシドニーで友達に会って、元気をいっぱいもらって日本に帰ってきたという感じです。
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郁代も、
例えばきれいな青空を見たとか、
友人から電話があったとか、
昨日よりも食事が少し食べられたとか、
そんな小さな幸せを見つけながら、
一日一日自分を励ましていたのだと思うのです。