み佛さまの花ぞのに


もうすぐ3歳のミクちゃん


郁ちゃんが亡くなった後に、孫のミクちゃんがうまれました。
家族が「ミクちゃん、ミクちゃん」と呼ぶと、
私には「郁ちゃん、郁ちゃん」と聞こえ、
「郁ちゃんはどこ?」と探したものでした。
ミクちゃんが郁ちゃんの生まれ変わりのように思えました。




   花のたましい
              金子みすゞ


   散ったお花のたましいは、
   み佛さまの花ぞのに、
   ひとつ残らずうまれるの。

   だって、お花はやさしくて、
   おてんとさまが呼ぶときに、
   ぱっとひらいて、ほほえんで、
   蝶々にあまい蜜をやり、
   人にゃ匂いをみなくれて、

   風がおいでとよぶときに、
   やはりすなおについてゆき、

   なきがらさえも、ままごとの
   御飯になってくれるから。