み佛さまの花ぞのに
郁ちゃんが亡くなった後に、孫のミクちゃんがうまれました。
家族が「ミクちゃん、ミクちゃん」と呼ぶと、
私には「郁ちゃん、郁ちゃん」と聞こえ、
「郁ちゃんはどこ?」と探したものでした。
ミクちゃんが郁ちゃんの生まれ変わりのように思えました。
花のたましい
金子みすゞ
散ったお花のたましいは、
み佛さまの花ぞのに、
ひとつ残らずうまれるの。
だって、お花はやさしくて、
おてんとさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて、
風がおいでとよぶときに、
やはりすなおについてゆき、
なきがらさえも、ままごとの
御飯になってくれるから。