小慈小悲もなき身にて

昨日3月20日は、サリン事件のあった日でした。
以前聞いたお話を、思い出しました。
「“悪いことをする”のには歯止めがかかる」が、
「“正しいことをするんだという目的を持つ”と、歯止めがかからない」
というお話でした。


修行場「サティアン」内の映像が残されているようですが、
殺生しない教えによって、ゴキブリがたくさん這っていたそうです。


「ゴキブリを殺さない我々は正しい。
ゴキブリを殺すような悪い人間を殺してしまえば、
すばらしい理想の世の中になる」
との教えによって、
正義のために、ひたすら忠実に・・・、
サリンをまいたのは、善良で優秀な人たちでした。



大悲(仏)に遇い、
自分が照らされ続けるしかないというお話しでした。



小慈小悲もなき身にて 有情利益は思うまじ  (『悲歎述懐和讃』)
「少しぐらいは、他人をあわれみ、悲しみ、助ける心があるように思っていたが、とんでもない思い違いだった。
親鸞(わたし)には、慈悲のカケラもなかったのだ」



東北の震災に毎日涙が流れますが、
悲しいことに、
被災された現地の方の気持ちなどわかるはずがない私なのです。