こだまでしょうか


近くの山側環状道路を歩いていると、自転車の留学生によく出会います。
中国、台湾、インドの方・・・。
「コンニチワ!」「こんにちわ!」
お互い笑顔であいさつして通リすぎます。
「コノオ店、ドコデスカ?」
と、チラシを見せて聞かれることもあります。


工事現場で交通整理のガードマンさんも、
道行く人だれにでも「こんにちわ!」
お互いに「こんにちわ!」。



震災後、人と人の繋がりどこか優しくなったように感じます。




こだまでしょうか
                     金子みすゞ

 「遊ぼう」っていうと

 「遊ぼう」っていう。

 「馬鹿」っていうと

 「馬鹿」っていう。

 「もう遊ばない」っていうと

 「遊ばない」っていう。

 そうして、あとで

 さみしくなって、

 「ごめんね」っていうと

 「ごめんね」っていう。

 こだまでしょうか、

 いいえ、誰でも。

               『金子みすゞ全集』(JULA出版局)



金子みすゞさんの詩を世に知らせる、大きな役割をされた矢崎節夫さんが、
「こだまでしょうか」に、
次のようなコメントを添えられています。


・・・・・
 東北から関東にかけて、大きな地震にみまわれました。
これを読まれる方の中にも、直接、間接に、非常なる悲しみを受けておられる方がいらっしゃることでしょう。


 民放では、「こだまでしょうか」が、繰り返し流されています。
今、悲しみ、苦しみを受けていらっしゃる方々のお心にとどいて、
少しでも励ましになってくれることを心より願っています。

 
 仏教には、
 「代受苦者」(だいじゅくしゃ)ということばがあるそうです。


 私が受けたかもしれない苦しみを、代わりに受けてくださった人、
ということでしょう。
永観堂法主さまからお聴きした時、深く心にしみました。


 自分のこととして受けとめ、出来ることを少しでも始めていきましょう。     そして、なにより、こういう時だからこそ、
私たち一人ひとりが、きちんと日々を過ごすことで、
しっかりとこだまし合いたいと強く思います。

                     
                     金子みすゞ記念館 矢崎節夫
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