確かな光、希望
上智大学大学院でビルマ難民の研究、支援活動をしていたとき、
突然自己免疫疾患系の難病を発病した大野更紗さん。
ついた病名は「筋膜炎脂肪織炎症候群」というものでした。
難病に罹ったときから、圧倒的弱者になった大野更紗さんが、
自分の尊厳をかけて出来たことが、この著作だったと思います。
『絶賛生存中!』の更紗さん、けなげです。輝いています。
深い悲しみが伝わってきます。
読んでいて、どうしても郁代と重なってなりませんでいた。
本のレビュー、胸にせまりました。
・・・・・
コミカルでエモーショナルな地獄めぐり記、脱出記。
逸脱してしまった、転落してしまった私、 運命の過激な不条理。
それでも潰されてなるものか、無視されてなるものか、不当に扱われてたまるものか、生きて、闘ってやろう!という思いがこの本を書かせていると思う。
世にも奇妙ですさまじい体験記であり、
同時に鋭い洞察と当事者としてのリアルな痛みから生まれた社会派エッセイでもあるが、この本の最大の価値は、社会的意義や実体験のすさまじさ以上に、
なによりも大野更紗さんのユニークな作家性にあると思う。
大野更紗さんは、作家として常にポップでユーモラスでエモーショナルなスタイリストであることを忘れない。
叫びに引き裂かれそうになりながらもチャーミングなのだ。
この本は絶対的な肯定のエネルギーとして輝いている。
一人の個人があらゆる否定的な運命に押し潰されそうになりながら息も絶え絶えにその中で見つけた確かな光、希望がある。
それは外からの他者との出会い、そして何より内側からの自らの生きたい変えたいと望む思い。
・・・・・
2011年3月14日月曜日
オール「困ってるひと」に
地震、津波で被災されたすべてのひとに。
すべての困ってるひとに。
ただ、いまできることを。
(じんるいのげんかいをのびちぢみながら生存中)