天切り松
妹に誘われ、市民劇場の会員になっています。
今回は
ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ
『天切り松 人情闇がたり』でした。
浅田次郎原作、左とん平主演の和製ミュージカル。
大正ロマンあふれる時代の義賊、
松蔵が語る笑いと涙の心意気あふれる物語です。
昭和の時代も終わりに近づく頃―――。
その老人が留置場にやってきたのは、就寝時刻をとうに過ぎた夜更けだった。老人は刺子を打った藍木綿の単衣(ひとえ)に、黒の股引(ももひき)姿。下町の古い職人のような身なり。
「お情けをこうむりやす。村田松蔵と申しやす。
ごらんの通り棺桶に片足つっこんだ老いぼれでござんすが、お見知りおき下さいまし」松蔵は六尺四方から先へは聞こえないという夜盗の声音(こわね)“闇がたり”で、遙かな昔を語り始めた…。
私は観劇中、時々眠くなることがあって困るのですが、
左とん平が渋い役どころ、
語りかけるような唄が心にしみて、どんどんひきこまれました。
とても面白かったし、他の役者さん達も良かったです。
演出は鵜山仁。
「天切り」とは?
「天切りたァ、大江戸以来の夜盗の華。ケチな所帯にァ見向きもせず、
忍び返しに見越しの松、長屋門に車寄せてえお屋敷ばかり、
夜に紛れて屋根を抜く、富蔵、藤十郎、鼠小僧の昔から、一子相伝、親分から子分へと奥義を伝えられた荒技でえ。」