『ありがとうの花』 読書感想文

孫娘のＳちゃんは、時々ぼ〜っとしたり忘れ物をするユニークな女の子。
「わたしは自分のこと普通だと思うんだけど、
何か言ったらお友達が笑うよ」。
ニックネームは「不思議ちゃん」だとか・・・。
我が家の“かっこちゃん”です。

Ｓちゃんの「読書感想文」読ませてもらいました。
Ｓちゃんはこう書いています。

・・・宮プーにも私は心を動かされました。
本の文中で宮プーは、体があまり動かなくなったにもかかわらず、
「かっこちゃんとあえて　このじんせいは　いいじんせい」
と言っています。・・・

私もここが大好きなところなのです。

・・・・・

『ありがとうの花』　〜夏休み読書感想文〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中学２年　　孫娘Ｓちゃん

もし、あなたの大切な人がいきなり倒れて死亡率９２パーセント、残りの８パーセントに入れたとしても、きっと一生植物状態だろう・・・なんて言われたら、
あなたならどうしますか？
希望を持つことができますか？

『ありがとうの花』（山元加津子著・三五館）の著者であり、主人公でもある加津子さん（かっこちゃん）は、同じ特別支援学校の教員であり、友人でもある宮田さん（宮プー）がある日、突然倒れ、そんな立場に立たされることになります。
残り３時間の命と言われ、絶望的な状態でした。
ところがかっこちゃんは信じ続けました。
「宮プーは絶対だいじょうぶだ」と・・・。

そして不思議なことに、かっこちゃんの想いが伝わったのか、宮プーは生きのび、なんと意識を取り戻し「意思伝達装置」（レッツチャット）で、体はほとんど動かずとも、思いを伝えることができるようになるのでした。
私は、人の「祈り続けること」のパワーに驚きました。
私だったらそんな絶望的なさなかに希望を持つことができていたでしょうか。
かっこちゃんが希望を持ち続けたことがすごいと思ったし、宮プーの生きたいという想いと、かっこちゃんの想いが重ならなければ、生きていることは可能ではなかったんじゃないかと思います。
人の想いは、強ければどんな不可能だって可能に変えられるんだと、かっこちゃんの生き方から教えられました。

そして、そんな困難を乗り越えられた宮プーを、もっとたくさんの人に知ってもらい、つながっていくためにメルマガ（「宮ぷー心の架橋プロジェクト」）　　
をかっこちゃんは作りました。
そのメルマガや本を通してかっこちゃんに出会い、勇気や希望が持てた人、運命が幸せな方に変えられた人、笑顔になれた人はたくさんいます。
その事をこの本を読んで知ったのですが、私もその心を動かされた一人です。

この本を読んでいて、人と人との出会いは本当にすごいなあと感じました。
直接ではなくとも、メールや本だったとしても、その向こう側の人はきっと笑顔になっているのです。
なんだか不思議ですが、これは人間だけの特権だろうし、人で良かったなあと思いました。

宮プーにも私は心を動かされました。
本の文中で宮プーは、体があまり動かなくなったにもかかわらず、、
「かっこちゃんとあえて　このじんせいは　いいじんせい」
と言っています。
それだけかっこちゃんがすごいのかもしれませんが、もし私だったらいい人生だなんて言えないだろうと思います。
ただ、なんでこんな人生なんだろうと嘆き悲しむだけです。

けれど宮プーに出会って、
人と人とでつながって心を動かされれば、「いい人生」にすることもできるのかもしれないと思いました。
案外今まで見えなかった事も、逆に見えてくるのかもしれません。

そして、本の題名にもあるように、
この本にはたくさんの「ありがとうの花」という言葉が出てきます。
この言葉も魔法のような言葉で、人と人をつなげる事ができます。
文中でも、ずっと分かりあえなかった相手と仲良くなることができたり、千恵子ちゃんという事故で障害を持った子が、「ありがとうと言うと心の花が咲く」ことを私に教えてくれました。
たった５文字言うだけで、相手に感謝が伝わったり喜んでもらえる不思議な言葉。
私もどんどん使って、たっくさん花を咲かせたいです。

最後に、この本を読むきっかけになった祖母にありがとうと言いたいし、この本を書いて下さったかっこちゃんや宮プー、
本に登場してたくさんの心に響くエピソードを作られた子供達やいろんな方に、ありがとうと言いたいです。
そして、私の心の中に大きな花が咲きそうです。

・・・・・

校内で入賞したらしいけど、
それよりも『ありがとうの花』を先生に知って頂いたこと、
学校で少しでもこの本の話題が広がったことが、
なにより良かったと思うのです。

夏休みに、
「Ｓちゃんこの本読んでみる？」
と言ってよかったなあ。

「人と人との出会いは本当にすごいなあ」と感じたＳちゃん、
素敵です。ありがとう！！