鈴木大拙「妙好人」

先日“柿仏”を送ってくださった「畑のかえるさん」のブログ、
柳宗悦と藤木てるみ著「妙好人源佐さん」を読んで、とても親しみを覚えました。

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柳宗悦は、陶磁器や漆器、着物や刺子、その他たくさんの「もの」を愛でたが、「人」も愛でた。
宗悦は、学習院高等部で、禅を世界に紹介した鈴木大拙に英語を学んでいる。
終生、交流が続いて、多くの影響を受けている。
大拙も「妙好人」(法蔵館)がある。(抜粋)
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と書いてあったからです。

私も昨年10月、鈴木大拙館オープンの記事の時、
鈴木大拙『妙好人』(法藏館)
についても書いています。

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鈴木大拙妙好人』(法藏館)には、「森ヒナさん」のお話が載っています。
ヒナさんは石川県の方なので、お寺の法話でもよくお聴きしたことがあります。
鈴木大拙博士が、北陸のこのお婆ちゃんに是非会いたいといって出会いが成立しました。

 ヒナさんは、
『わが機、ながめりや、あいそもつきる、わがみながらも、いやになる。
ああ、はづかしや、なむあみだぶつ』
『いやになるやうな、ざまたれ、ばばに、ついてはなれぬ、おやござる。
ああ、ありがたい、なむあみだぶつ』
と、自分では文字が書けぬので、我が子に書いて貰っています。
ヒナさんは、いやになるよな煩悩だらけのザマタレ婆であると歌っていますが、その歌を取り上げて、

大拙師「わが身ながらもいやになると書いてあるが、これあんたの煩悩やろ。この煩悩、半分わしに分けてくれんか?」

ヒナさん「いや、あげられん」

大拙師「なんでや?あいそもつきるような煩悩なら分けてくれんか?」

ヒナさん「いや、これは分けられん」

ヒナさん「この煩悩あればこそ、この煩悩照らされて(如来さんというはたらきに)であえたんや」

大拙師「そうやったな、儂もおばあちゃんの二倍も三倍も煩悩もっとるさかい、お互い、この煩悩大切に生きていこうな」
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「鈴木大拙館」金沢21世紀美術館のすぐ目の前(道路向かい側の奥の方)にあります。

「畑のかえるさん」からお借りした藤木てるみさんの漫画の一場面からは、
妙好人源佐さん」が生き生きと伝わってきますね。