生んでくれて有り難う

あの日から、八年がたちました。
郁ちゃんに出会えたことは奇跡でした。
このわたしが、郁ちゃんのお母さんであることが、
不思議でなりません。
ありがとうございます。
今日も郁ちゃんに出会う新たな一日、
郁ちゃんからの「今現在説法」の中に身を置いています。



おとうさん おかあさんへ

わがままな娘でごめんね。
いつもつっけんどんでごめんね。
口が悪くてごめんね。
心配ばかりかけてごめんね。
親孝行できなくてごめんね。
孫の顔、見せられなくてごめんね。
おとうさん、おかあさんより先に死んじゃってごめんね。

三十四年間という、少し短めの人生だったけど、
おとうさん、おかあさんのおかげで、
楽しく、充実した人生でした。

子どものころから、のびのび自由に育ててくれて有り難う。
わたしを信頼し、やりたいことをやらせてくれて有り難う。
いつも心配してくれて有り難う。
生んでくれて有り難う。
おとうさん、おかあさんの子どもとして生まれて来られて、
わたしはとってもしあわせだったよ。
本当に有り難う。

                      郁代                                                      「遺書」
「あなたにあえてよかった」より


郁ちゃん
シドニーの会社から、
上司エディーさんの指示でサイトウさんからメッセージが届きましたよ。
毎年くださいます。
有り難くて、涙がこぼれます。

・・・・・
おはようございます、お変わりありませんでしょうか。
シドニー三寒四温とでも言うのでしょうか、
春が近くなっている事を感じさせる暖かい日が続いたかと思うと、
急に寒くなったりしています。
梅の花などがちらちらと咲き始めてはいますので、
もう少ししたら冬も終わるのでしょう。
日本は連日暑い日が続いたり、局地的に大雨になったりと、
厳しい天気が続いているようですが、どうかお体にお気を付けてください。

今年も郁さんの命日が来ました。
今回で九回忌になります。

毎年この日には、エディーさん達と郁さんの思い出を語っています。
・・・・・

シドニーの皆さんが、変わらずに郁ちゃんを偲んでくださっている・・・
いつも思うのですが、日本の会社でもめったにないことでしょう。
私には考えられないほどです。