「末永く、 元気で」

昨日たまたま目に入った「徹子の部屋」、
姜尚中さん出演で、最近話題になっている「心」が取り上げられていました。
その前日、たまたま読んだばかりだったので、え〜っと思ったのでした。

姜さんにもっとも影響を与えたという作家、
夏目漱石の「こころ」が念頭にあったといいます。


息子さんは尚大(なおひろ)さんといい、
心の病をわずらって4年前に26歳で自ら命を絶ちました。
その耐え難い痛みに苦しむうちに、東日本大震災が起きたのです。
愛する一人息子の死、震災で突然失われた2万人もの死。
姜さんは、その意味を問う小説を書くことで、死と対峙しようとしました。


息子さんのパソコンには、メッセージが遺されていました。
「末永く、元気で」


小説では、姜さんの一人息子と同名の「直広」という青年が親友を失い、
死を受け入れられないまま震災を経験し、
ボランティアで遺体の捜索という厳しい試練と向き合う姿を描きます。


姜さんの奥さんについても、
結婚に至ったいきさつなど自然体で話されていました。
いつもの政治学者のイメージとは違って、好感が持てました。


 亡くなった人から思いをもらって、生きている自分の生きる力とする。
大きな悲しみを背負う読者と交流を重ねるうちに、
姜さん自身が生きる力を取り戻していったと語られたのですが、
私自身に重なり、心に沁みました。


その夜は美輪明宏特番で徹子さんがゲストでした。
ジェジェジェ!!


華麗で深い人生を送ってこられた昭和8年、昭和9年生まれのお二人、
戦中戦後の混沌を生きてこられた人生の先輩のお話しに、
圧倒されっぱなしでした。


ヨイトマケの母子のこと、
美輪明宏さんからのメッセージ、「無償の愛」が心に残っています。