東国からの使者(15)

親鸞完結編 第164回   東国からの使者(15)

「ない。わたしは誓って真実を語っている。念仏以外に隠された呪文とか秘法とかいった方法はない。
わたしは自分自身を、弱くて、愚かな者だと思うておる。
それは口だけでの謙遜でも、卑下自慢でもない。
わたしは若いころ学問をした。
さまざまな修行もした。
だが、そのことと自分をどう思うかということとは別だ。
わたしは自分が闇の中に生きているように感じて、必死に光をさがしていた。
そこで法然上人にであったのだ。
この世に光あることを信じて、ただ念仏せよ、と法然上人はおっしゃった。
そのお言葉を信じて、わたしは念仏の道にはいった。(抜粋)

五木寛之さんの言葉となって聞こえてきました。

東国からの使者(12) (13)