かぐや姫の物語

「郁代は私の子どもではない。
34年間お預かりしていた娘は、
いのちのふるさとへ、ある日す〜っと還って行った。
かぐや姫のようだ」
ずっと、そんな思いを抱いていました。

郁代に会えるような気がして、
待ち望んでいた「かぐや姫の物語」観てきました。

赤ちゃんの時のかぐや姫の可愛さに、ただ引き込まれました。
幼い姫が近所の子たちに「た〜けの子!」とはやし立てられ、
よろよろ歩くのを見て、愛しさのあまりたまらず駆け寄る翁、
優しいまなざしで包み込み、どこまでも寄り添う媼。

鳥、虫、動物とたわむれ、草、木、花に包まれて遊ぶ姿が、
動物好きだった郁代、野山を駆け巡った郁代に会えたようで、
幸せな気持ちでいっぱいになりました。

高畑勲監督が8年の歳月をかけて制作した「かぐや姫の物語」。
郁代が旅立ったのがちょうど8年前ですから、
これはもう、サプライズ大好きな郁代からの「ビッグプレゼント」に違いありません。

一日とて忘れたことがない郁代に会えるのです。
一瞬たりとも見逃してなるものかと、スクリーンを見つめ続けました。

世の中には不条理もいっぱいあるけれど、
「それでいい、それでいいんだよ」
今まで生きてきたことを優しく肯定されたように感じました。

郁ちゃん、主題歌「いのちの記憶」を聞いて何度でもあなたに会っています。

「わらべうた」