歩けば人に会う

音楽会への道、浅野川の「梅の橋」にきれいなお嬢さんが・・・。

「娘20歳の記念写真なんです。
母が買ってくれ私が着たのを、着せたかったのです」
と、お母さん。
ブロブに“載せてもいいですよ”とおっしゃいました。
向こうに浅野川大橋が見えます。


人通りの多い武蔵が辻あたりで、あの日と同じように、おしゃべり好きな若者が明るい声で、
「おはようございます!」と声をかけてくれました。
「おはようございます!」と答えると、
「いい天気でうれしいです!」
とまた答えてくれました。


音楽会の熱狂に酔いながらの帰り道、
ライトアップされた尾山神社の前を通りました。
一度見たかったのです。

ステンドグラスが美しかったです。 

昼の尾山神社はこちらです。

車だけは多く、街燈があるだけで人通りが絶えた商店街を歩きながら、
詩吟の練習をすることにしました。
2日後に大会があり、初心者は合吟(合同での詠吟)に参加するのです。
声を出しながら歩くと、いつのまにか家に着くという御利益もあります。

人はいないと思っていたら・・・

誰かの横を通ったらしく、突然声がしました。
「じょうずですね」

どうやら男子高校生のようで、近くのコンビニで買い物をしてきた、
というふうでした。
歩を緩めて待っていてくれたのでしょか。

「ありがとうね。迷惑じゃなかった?」
「いいえ、ぜんぜん・・・」
「今のは“詩吟”っていうんだけど、知ってる?」
「僕らの年代では知りません。聞いたこともないし・・・」

初めて聞く言葉のようでした。

「音楽聞くのは好きです・・・」
などと会話しながら、
「じゃあ、僕ここで曲がりますんで」
と、お別れしました。

年頃の男の子が下手な詩吟を聞いていてくれたことが、とっても不思議でした。

夜はお互い顔がはっきりしないので、
話しかけやすかったのでしょうか。

音楽祭の日は昼も夜も、いろんな出会いがありました。

待ち時間の間に歩いて行こう・・・
金沢駅で思ったあのバス、家の近くで一緒になりました。


あっ、今日の私は音楽会ではなく、詩吟の日です・・・。
郁ちゃん、聞いていてね!