無償の愛
「おばあちゃん、ナナちゃんのお散歩に行こう!」
学校から帰ると、隣に住むみくちゃんが誘いに来てくれて、
近所の公園へ出かけるのが日課です。
おばあちゃんは遊んでもらっています。
サッカーショックの皆様におかれましては、
これらの写真で少しでも癒されますように・・・
『次郎物語』を書いた下村湖人の、「心窓をひらく」という文章に出会いました。
仏の無償の愛とはこのようなものでしょうか。
進という少年が、学校へ出かけるとき、前夜書きつけた紙片を二つに折って、
お母さんの机の上にそっとおいて、学校へ出かけていきました。
紙片には、次のように書いてありました。
かんじよう書き(請求書)
一 市場にお使いに行きちん 十円
一 お母さんのあんまちん 十円
一 お庭のはきちん 十円
一 妹を教会につれて行きちん 十円
一 婦人会のときのおるすばんちん 十円
ごうけい 五十円
進
お母さんへ
進のお母さんは、これをご覧になってニッコリなさいました。
そして、その日の夕食のときには、今朝のかんじょう書きと、五十円が、ちゃんと机の上にのっていました。進は大喜びで、お金を貯金箱に入れました。その翌日です。進がご飯を食べようとすると、テーブルの上に一枚の紙がありました。
開いてみると、それはお母さんのかんじょう書きでした。
お母さんのかんじょう書き
一 高い熱が出てハシカにかかったときの看病代 ただ
一 学校の本代、ノート代、エンピツ代 みんなただ
一 まいにちのおべんとう代 ただ
一 さむい日に着るオーバー代 ただ
一 進さんが生まれてから、今日までのおせわ代 みんなただ
ごうけい ただ
お母さん
進さんへ
これはお母さんの愛にそういう深い愛を記していますが、
お母さんも、そういう命の深い愛にもよおされて、そうされているのかもしれませんね。