生んでくれて 有り難う

「あなたにあえてよかった」表紙                   

  郁代撮影

十四日早朝、郁代の容態は急変し、いのちの故郷へ還っていきました。
「あ・り・が・と・う・・・」
といって。

九年前の今日でした。

きょうは10回目の命日、
この世で、郁ちゃんに出会えたことが不思議でなりません。

生まれてくれてありがとう。
  
ありがとう。
  
ありがとう。

遺された手紙を読み、郁ちゃんに出会っています。


・・・・・
おとうさん おかあさんへ

わがままな娘でごめんね。
いつもつっけんどんでごめんね。
口が悪くてごめんね。
心配ばかりかけてごめんね。
親孝行できなくてごめんね。
孫の顔、見せられなくてごめんね。
おとうさん、おかあさんより先に死んじゃってごめんね。

三十四年間という、少し短めの人生だったけど、
おとうさん、おかあさんのおかげで、
楽しく、充実した人生でした。

子どものころから、のびのび自由に育ててくれて有り難う。
わたしを信頼し、やりたいことをやらせてくれて有り難う。
いつも心配してくれて有り難う。
生んでくれて有り難う。

おとうさん、おかあさんの子どもとして生まれて来られて、
わたしはとってもしあわせだったよ。
本当に有り難う。

                      郁代 
・・・・・・                              

       
     「生きるものは 生かしめ給う
      死ぬものは 死なしめ給う                 
     我に手のなし 南無阿弥陀仏」
                           藤原正遠師の言葉