空を眺めて波に浮かんだ

思い出しました。
青い空を眺めて、いつまでも波間に浮かんでいたこと。

子どもの頃過ごした私の海は、泳ぐというより波と遊ぶものでした。
郁ちゃんも遊んだことがあるね。


大小の島で幾重にも囲まれた湾で、波がなく鏡のような海でした。
磯浜なので潜って貝を獲ったかと思うと、
疲れると波に身をまかせ、
青い空を眺めていつまでも浮かんでいました。

スピードを競う泳ぎではなく、潜ってどれだけ遠くまで進めるかなど、
自分勝手にそれぞれが工夫して遊ぶのでした。

大人になってからプールで一番違和感があったのは、足が底に付くこと。
子どもの頃、足がつかない海で遊んでいたからです。

向かいの島まで泳いで渡れるか・・・
近年まで遠泳は、海のそばにある故郷の学校の年中行事だったのです。

だから私の場合、プールでも“ゆっくりで長距離”が向いていたのかな。

趣味の水泳にはこんな言葉があるんだとか。

「ゆっくり泳ぐのも技術」

この言葉に出会ったのも、 親切おじさんのおかげです。

「ゆっくりはだめ?」
と疑問を持ったことで、ネットでこの言葉に出会いましたから。

あっ、郁ちゃんの声が聞こえました。

「ゆっくり生きるのも大切だよ!」