「自然が人間に対して余りに浄すぎる」

新聞連載の『リーチ先生』、
柳宗悦バーナード・リーチが語り合う場面です。

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学習院中等科時代、二年生のときには、
キリスト教徒で植物学者の服部他之介が級担任となり、英語教師となた。
この服部先生の存在が、英語の上達のみならず、のちに自分の思想の形成に大きな影響を与えたのだと、柳は言っていた。

ときには、自宅に柳や同級生を招いて、イギリスの詩人、ジョン・ミルトンの本を原書で読み聞かせたりもした。
夏休みには赤城や尾瀬の避暑地に生徒たちを伴って出かけ、
「自然が人間に対して余りに浄すぎる」ように感じる、
と少年たちに語りかけた。
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    『リーチ先生』153    原田マハ
 

                        10月27日 北国新聞