“鳥の歌”

伊集院静さんの新聞連載小説を興味深く読んでいます。

「東京クルージング」  129
    第三章  鳥たちの歌(四)


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一九七一年十月、九十四歳を迎えたカザルスに国連平和賞が授与され、
ニューヨークの国連本部で演奏し、有名なスピーチをする。
チェロを手に立ったカザルスが静かに言った。
「今日は演奏をしなければいけません」
そうして演奏の姿勢をとると右手を持ち上げて
“鳥の歌”の紹介をした。

「(私の故郷カタールニヤでは)空を飛ぶ鳥たちは、
羽ばたきながら……歌っています。
ピース(PEACE)、ピース、ピース……
そしてこの曲をバッハやベートーベン、すべての作曲家は愛し、
讃えることでしょう。
これが我が祖国、カタールニヤの魂なのです」
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“鳥の歌”  1971年10月24日(国連デー)におけるカザルスのスピーチと演奏

魂が揺さぶられ、あなたにあえました。