“級長”



        兼六公園ライトアップ



大学卒業後、郁代はしばらく旅行会社に勤めていました。
会社は兼六公園に近いところにありました。


ツアー客の皆さんにも、郁代との思い出が強く残っているようなのです。


「父親を伴った初めての中国旅行が忘れられません」
ある日、Sさんはそういって突然訪ねて来られました。
郁代は海外添乗が多かったのです。
「大浦学級の“級長”を慕い、
旅行後も何度か招待し、皆で集まって思い出話をしたのですよ」
と言われました。
旅行のときの“級長”の写真を持ってきてくださいました。


「海外添乗は大変なことも多く疲れるけれど、
お客さんが慕って下さり感謝されるから、また元気が出るんだよ」
と、郁代は言っていたのでした。


会合の後、
昨夜はライトアップされた兼六公園を通り抜けて帰ってきました.
そのときの写真ですが、本当にきれいでした。