コクリコ坂から

主題歌「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」
手嶌 葵さんの歌が聴きたくて、映画を見てきました。
エンディング・・・とても心に沁みました。
誰もが席を離れることなく、余韻に浸っていたのでした。




宮崎駿のメッセージより
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学園闘争はノスタルジーの中に溶け込んでいる。
コクリコ坂から」は、人を恋(こ)うる心を初々しく描くものである。
少女も少年達も純潔にまっすぐでなければならぬ。
異性への憧れと尊敬を失ってはならない。出生の秘密にもたじろがず自分達の力で切りぬけねばならない。それをてらわずに描きたい。


コクリコ坂から」は、1963年頃、オリンピックの前の年としたい。
47年前の横浜が舞台となる。
団塊の世代現代っ子と呼ばれ始めた時代、その世代よりちょっと上の高校生達が主人公である。
首都高はまだないが、交通地獄が叫ばれ道も電車もひしめき、公害で海や川は汚れた。
貧乏だが希望だけがあった。
 新しい時代の幕明けであり、何かが失われようとしている時代でもある。とはいえ、映画は時代を描くのではない。
女系家族の長女である主人公の海(うみ)は高校二年、父を海で亡くし仕事を持つ母親をたすけて、下宿人もふくめ6人の大世帯の面倒を見ている。
対する少年達は新聞部の部長と生徒会の会長。
ふたりは世間と大人に対して油断ならない身がまえをしている。
ちょっと不良っぽくふるまい、海に素直なアプローチなんぞしない。
硬派なのである。
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挿入歌「上を向いて歩こう
映画では、坂本九さんが歌っています。
なつかしいこの曲、今年の7月で50回目の誕生日を迎えたそうです。


今年、イヴァン・リンスさんが被災者応援で歌っています。



新しい時代の幕明けであり、何かが失われようとしている時代・・・、
私は確かにここにいたなあと思いました。



映画館からの帰り道、いつも通るこの道に、
築150年の料亭がありました。