山元加津子さんに泉鏡花市民文学賞

第40回泉鏡花文学賞受賞作品は
角田光代『かなたの子』と決定していましたが、


今日の新聞では

第40回泉鏡花記念金沢市文学賞の発表が載っていました。


かっこちゃんこと山元加津子さんの、
「手をつなげば、あたたかい。」が選ばれたのです。



     朝日新聞(石川版)2012年10月30日



かっこちゃん、本当におめでとうございます。
数えてみたらこのブログで5回も紹介させていただきましたので、
自分のことのようにうれしくてたまりません。

みんなその人に必要だからそこにあるを再掲したいと思います。




『手をつなげばあたたかい』(山元加津子著・サンマーク出版
―本当のことは、みんな同じ― からの抜粋です。



・・・・・
「さっき、お坊さんが『親鸞聖人が悟られた』と言われましたが、
『悟る』ってどういうことでしょうか?そして、南無阿弥陀仏ってどういう意味でしょうか?」


「どういうことを悟られたのかというと、どんなことも、なるようになっているということです。偶然というものはなく、いつも起きるべくして起き、出会うべきして出会うということです」とおっしゃいました。


それから「『南無阿弥陀仏』とは、人がむなしく生きなくてすむように、『もの』や『こと』や『人』が、与えられるように周りに現れて出会うことができるということです。
周りにあるものもことも人も、みんなその人に必要だからそこにあるということです。


「よくお年寄りが『おかげさまで』っておっしゃるのは、そういうことですか?」
「そうです。つらくて、悲しいと思うことすら、私たちのために用意されたものだということです」と教えてくださいました。
・・・・・


「会いたい人、みんなに会えてよかった。
あしたから、わたしだけの時間にして静かにすごすわ・・・。
これまでお母さん、完璧やったわ。
必要なもの、必要なことが、いつも直ぐに用意されていたもの・・・」

    『あなたにあえてよかった』より


亡くなる前の晩、郁代からの最期のメッセージでした。


郁代が旅立った後、部屋には山元加津子さんの
『本当のことだから』(三五館)が遺されていたのでした。
私もはじめてみる本でした。



原田大助さんの『さびしいときは心のかぜです』(樹心社)を私が読んでいたので、そのころから山元加津子さんのフアンだったのかもしれません。
それにしても八年間も、シドニーで滞在していた郁代が、
山元さんの新刊本を読んでいたことにとても驚きました。



『手をつなげばあたたかい』は郁代からのプレゼントでした。
「これまでお母さん、完璧やったわ。
必要なもの、必要なことが、いつも直ぐに用意されていたもの・・・」
郁代の声が聞こえてきて、涙があふれてくるのでした。



☆ 2012年12月8日
山元加津子さん&紙屋克子さん講演会のご案内です。