和合亮一さん講演会
<風を返して下さい 土を返して下さい><福島で生きる 福島を生きる
福島で生きる 福島を生きる
福島を生きる 福島で生きる>
昨日の金沢大学学園祭、
和合亮一さんの講演会を聴きに行ってきました。
歩いて30分で行けるのです。
「僕の祖父母は兼六園で挙式しました。
一度来たかった金沢は初めてですが、
すぐに福島に帰らなければならないので、
今日も兼六園へは行けません」
「詩の礫」に続いて「詩の黙礼」
「詩の黙礼」より「高台へ」を、
この日ご本人が渾身の想いで朗読されました。
深く、深く、胸に迫りました。
わたしも、皆さんも目には涙が・・・。
「高台へ」―最後まで避難を呼びかけた女性についての断章―
・・・・・
南三陸。役場に勤めているある女性は、必死になって、マイクの前で、
最後まで、避難を呼びかけた...。
南三陸。黒い波があらゆるものを奪っても、女性は必死になって、呼びかけた。
「高台へ、高台へ」...。
そして女性はそのまま帰らぬ人となった。
最後まで、最後まで、津波を知らせ続けた...。
女性のご両親は後日に、正に津波が押し寄せてきた時の記録映像を見ていた。
波は激しい勢いで、いま正に、南三陸の街を飲み込もうとしている...。
中略
さらに黒い波。あらゆるものがなだれ込んできた。
<高台へ避難して下さい、高台へ避難して下さい>。
美しい凛とした声を聞いて、お母さんはぽろぽろと泣いた。
「まだ言っている、まだ言っているよ」...。
中略
<高台へ避難して下さい>
騒然とした非常な南三陸の街で、美しい凛とした声は、
何百人もの命を救った。
声の明かりを頼って、高台へ行こう、高台へ行こう、と...。
中略
高台へ。
振り向けば、海原がまぶしい、初夏の太平洋。
何も求めない、ただ胸いっぱいにあふれてくる、幸せの涙が欲しい。
雲の切れ間...。
高台へ、ついその先の濁流の恐怖。
震えながら、人々は想う、凛とした声明かりがもっと、欲しい、
もっと心の高台へと誘って欲しい、
全てを飲み込む、怒りと悲しみの渦、南三陸。
身を削るようにして、乳を絞り出して限られた草を食べて涙を流している母牛も、凛とした女性の声を、聞いているのかもしれない...。
<高台へ>黙礼。
・・・・・
サントリーー10000人の第九2011
和合亮一「高台へ」×佐渡裕j.sバッハ「G線上のアリア」 南三陸中継
女性が避難を呼びかけた南三陸の地で、
和合亮一さんご本人が、あらしの中「高台へ」を朗読されています。
指揮をする佐渡裕さんの目に涙が・・・。
学園祭点描