せんねん まんねん

巳年なので登場してもらいました。

2011年5月、近くを散歩していると「コンニチワ!」と、迎えてくれましてね。
その時も書いていますが。


せんねん まんねん    
               まど・みちお


 
いつかのっぽのヤシの木になるために

そのヤシのみが地べたに落ちる

その地ひびきでミミズがとびだす

そのミミズをヘビがのむ

そのヘビをワニがのむ

そのワニを川がのむ

その川の岸ののっぽのヤシの木の中を

昇っていくのは

今まで土の中でうたっていた清水

その清水は昇って昇って昇りつめて

ヤシのみの中で眠る



その眠りが夢でいっぱいになると

いつかのっぽのヤシの木になるために

そのヤシのみが地べたに落ちる

その地ひびきでミミズがとびだす

そのミミズをヘビがのむ

そのヘビをワニがのむ

そのワニを川がのむ

その川の岸に

まだ人がやって来なかったころの

はるなつあきふゆ はるなつあきふゆの

ながいみじかい せんねんまんねん




全休さんの自然法爾章 4より引用させていただきました。

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人としての努力を尽くさせ、
なにが善やら、なにが悪やら、さっぱりわからなくなったところまでお育てし、はからい尽き果てたところの一声の念仏を申させようというのが仏の御はからいです。南無阿弥陀仏
・・・・・

自然法爾章 1
自然法爾章 2
自然法爾章 3