てんのつかいのようにして

金沢城公園

                  (HPより)

雪の日の石垣



中谷宇吉郎の著書に「雪は天からの手紙」があります。
私にとって、雪は温かい「郁代からの手紙」です。

 
      ちらりん ひとつ
      ひとさしゆびに おりてきた
      ひとさしゆびの ゆびさきに
      てんのつかいのようにして


ちいさな ゆき
             まど・みちお
ちいさな ゆきが
ちらりん ひとつ
ひとさしゆびに おりてきた
ひとさしゆびの ゆびさきに
てんのつかいのようにして

ちいさな ゆきが
ちらりん ひとつ
ひとさしゆびで きえちゃった
ひとさしゆびの ゆびさきで
てんのようじは いわないで


       ゆきがふる
                 まど・みちお

       ふるふる ふるふる ゆきが ふる
       ゆきを みあげて たつ ぼくに
       ふるふる ふるふる ゆきが ふる
       とつぜん ぼくは のぼってく
       せかいじゅうから ただ ひとり
       そらへ そらへと のぼってく
       ふと きがつくと ゆきが ふる
       ゆきを みあげて たつ ぼくに
       ふるふる ふるふる ゆきが ふる


中谷宇吉郎
石川県加賀市出身。
第四高等学校を卒業し東京帝国大学理学部物理学科に入学。
寺田寅彦に教えを受ける。
北海道帝国大学教授となった1932年(昭和7年)ころから雪の結晶の研究を始め、1936年(昭和11年)3月12日には、
大学の低温実験室にて人工雪の製作に世界で初めて成功。
中谷宇吉郎『雪の科学館』があります。