「母さん、私を生んでくれてありがとう」
ふとしたことから知った、NHK特集まるごと(3月11日)の番組内容、
「津波に濡(ぬ)れた手紙」が、心に沁みました。
抜粋です。
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2年前の3月11日、町の職員だった娘の未希さんは、この庁舎から最後まで避難を呼びかけました。
遠藤未希さん(当時24歳)
“ただいま、当町に大津波警報が発令されました。
最大6メートルが予想されますので、急いで高台へ避難してください。”
多くの命が救われましたが、未希さんは帰らぬ人になりました。
震災後、未希さんがいた庁舎の周囲で、必死に娘の面影を探す美恵子さんの姿がありました。
踏み出す一歩を探し続けてきた美恵子さん。
ボランティアたちが自宅に来るようになったあとの去年(2012年)10月。
整理をしていたときに、あるものを見つけました。
未希さんが、未希さん自身にあてて書いた手紙です。
遠藤美恵子さん
「全然こういうものがあるのも分からず、このまま整理しなければ見つけていなかったんで。」
津波でにじんだ手紙。
20歳になった誕生日に、書かれたものです。
これから社会に出る自分にあてた言葉が並んでいました。
“あなたも今日から20歳だよ。
いつまでも輝く笑顔を失わず、素敵な女性へと成長してください。
夢を持ち続け前進し、前向きに。”
明るい、娘らしい言葉に、胸を打たれていた時、ふと手紙を開くと思わぬ言葉がつづられていました。
“人生って楽しいことばかりじゃないけれど、苦しいことやつらいことを乗り越えて
ほっとしたときにいつも心に浮かぶのはこの一言です。
母さん、私を生んでくれてありがとう”
遠藤美恵子さん
「母さん、私を生んでくれてありがとう。」
娘の心は、津波にも消えることはなく、母に届きました。
遠藤美恵子さん
「未希は、私から生まれて本当によかったって思ってるのが、初めて分かった。
自分を責めてたのが、これを読んで本当に少しだけど、気持ちが軽くなって。」
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郁代の遺書が思い浮かび、涙があふれました。
子どものころから、のびのび自由に育ててくれて有り難う。
わたしを信頼し、やりたいことをやらせてくれて有り難う。
いつも心配してくれて有り難う。
わたしのために、泣いてくれて有り難う。
生んでくれて有り難う。
おとうさん、おかあさんの子どもとして生まれて来られて、
わたしはとってもしあわせだったよ。
本当に有り難う。 郁代