河口湖の桜

兼六園の桜より一足早く満開となったしだれ桜

               兼六園に近い慶恩寺  3日

Aさんに紹介された『朝顔につるべとられて』を読ませていただいたのは、
“河口湖の桜無断で切られる”のニュースがまだ生々しく心に残っている時でした。

・・・・・
河口湖の桜30本、無断で切られる 富士山眺めるため?

 河口湖北岸にある桜並木の多くの木の枝が、管理する住民団体「河口湖緑の会」(三浦和政会長)に無断で、伐採されたことがわかった。
会員たちは、富士山の眺めを良くするために観光関係者が枝を切ったとみており、「許せない」と怒りを隠さず、桜の保護を呼びかけている。

 桜並木は富士河口湖町河口の湖岸約2キロにある。
三浦会長によると、全体で約300本のソメイヨシノのうち、少なくとも30本の枝が伐採されたことが今年になってわかったという。

 4月中旬の「富士・河口湖さくら祭り」を前に30日、緑の会の約30人が枯れ枝などを片付ける作業をし、直径10センチ以上の太い枝などが切られたのを確認した。
中には、ほぼ全体の枝が切り落とされ、開花が絶望とみられる桜もあった。
近くの松やあんずの木も伐採され、根元から切られているものもあった。

 桜並木の陸側に立ち並ぶ観光施設からは、並木と湖の背後に富士山が見える。昨年4月にも数本の枝が切られ、近くの飲食店が伐採したと認めたため、会は保護を厳しく求めたという。

 三浦会長は、今回も眺望のために切ったとみて、
「富士山の世界文化遺産登録で客が増え、ほかの施設よりもPRしようと必死なんだろう。地区の住民が、代々ボランティアで守ってきた桜を勝手に切るのは許せない。本当にピンチです」と話した。

 緑の会は1984年、桜約300本を植えた。近年は桜の名所になり、さくら祭りでは日没以降のライトアップもある。
朝日新聞デジタル 3月31日)
・・・・・

職場が楽しくないのはあの人のせい、あの人さえいなければ・・・
あなたのせいで私が苦しいのよ・・・
私の人生こんなはずじゃなかった・・・
いつの間にこんなに皺がふえたんだろう、10年若ければなあ・・・

自分の思い通りにしたい私の姿に重なりました。

桜を切ったのは私でした。


郁代に背中を押されて富士山に登りました。

         2010年8月2日

富士山は静かに河口湖(?)を見下ろしています。


仏教ブログ〈聞其名号信心歓喜〉の、「恥ずべし、傷むべし」が聞こえてきました。

・・・・
名利は名聞と利養、つまり名誉と利得。
社会的な地位と評価、金と財産を求めて、険しい山をよじ登るように苦難苦闘をして世間の評判を得ようと努力して、一生を空しく終わる。
地位や富は限りがあるので必ず人との奪い合いになる。
人を押しのけ傷つけることに耐えられる者、より狡猾な利口者だけが生き残る。それが世間道。

 誠に知りぬ、本当の自分の姿を見た。
まことに傷ましくも悲しい姿であるが、
これが本当の生きざま、この身の現実であった。
ありがたくも信心の智慧という清らかな濁りのない鏡をいただいて、
鏡に写った自分の姿を見せていただいてはじめてわかった。
生存に縛られ、人生に縛られていることがよくわかった、と。
・・・・・

『停車場にて』はこちらです。