もう何も失いたくねえ

街を歩いていたら、
う〜ん いい香りが・・・一瞬、しあわせな気持ちになりました。

垣根に沈丁花が咲き始めていました。


〈折々のことば〉  320     鷲田清一

知らないうちになくなっていることも多いし、
なくなっていることすら、気づけねえこともある
     
                          復興途中の被災地で

 自分というのは底が見えないものだから、
失ったものが何かも計り知れないところがある。
被災地の男性は、

「もう何も失いたくねえ。
津波であんなになくなったのに、まだ失うものがあったのかと驚いてしまう」
と言う。
喪失の思いは時とともに膨らみ、内にこもる。
               小森はるか+瀬尾夏美の映像作品「波のした、土のうえ」から。

                                  2016年2月24日